〜 突撃レポート寝起き編!<白熱!編> 〜
〜FF&KHワールド〜
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 ターゲットの前で、はしゃぎすぎたレポーター一行。

 とうとうKHセフィロスが目覚めてしまう。

 あわてふためく一同。ここは大統領官邸のVIPルームなのだ!!

 

クラウド:(ちょっ……どうするどうする? 隠れるッ? あ、ねぇ、バスルームは!?)

レオン:(そっちのドアだ、急げッ!)

ヤズー:(カダ、頭上げるな、床にくっついて動くんだぞ!)

カダージュ:(う、うん!)

セフィロス:(クソ……どうしてオレ様がこんなコソ泥のような真似……)

ヴィンセント:(え、ええと……あ、うわッ!)

 

 ドスンッ!>コケるヴィンセント。

クラウド:(きあぁぁぁ、ヴィンセント〜〜〜ッ!)

セフィロス:(目もあてられんな……)

KHセフィロス:ん……ヴィンセント・ヴァレンタイン?

ヴィンセント:〜〜〜〜〜ッッ!

KHセフィロス:やはり……おまえだ。なぜ……?

ヴィンセント:あ、あの……あ……す、すまない、こ、こんな……し、寝室に……あ、あの……ッ!

 

 >バスルームのドアの隙間より……

セフィロス:(泣くぞ、泣くぞ、泣き出すぞ、あいつは)

ヤズー:(ねぇ、ヴィンセント一人じゃ可哀想だよ。……出て行って事情話して、みんなであやまらない?)

クラウド:(だよね!だよね! 大統領官邸っつっても許してくれるよな! ヴィンセントひとりじゃ可哀想だし、俺、可愛いしッ!)

レオン:(貴様と言うヤツはどうしてそう……!)

 

 >アッサリと出て行くクラウド他一同。

 

クラウド:ス、スンマッセーン! マジスイマッセーン!!

KHセフィロス:クラウド……? あ、ああ……あちらの世界のクラウドか……

ヤズー:ご、ごめんねェ、寝込みを襲うような真似をして。ホント、もう、悪気はなかったっていうか、お金の為なら仕方ないっていうか……

KHセフィロス:ヤズーまで…… セフィロス、レオン……か?

クラウド:おい、ちょっ……ヤズー! 俺が金に目がくらんだみたいなやめてくんないッ!?

セフィロス:あー、言っておくが、オレは乗り気じゃなかったんだからな!運悪くくじ引きで当たっちまっただけで……

KHセフィロス:……おまえたち……どうして……? ここはおまえたちの世界ではないだろう……? いったいどうやって……

クラウド:あ、そこはアレ。大人の事情ってヤツですよ。

KHセフィロス:……なにやらよくわからぬが…… ふたたび会うことができて嬉しく思う。

ヤズー:相変わらず夢見るみたいに、切り替えのできる人だねェ、ふふふ……

ヴィンセント:『セフィロス』?肩の怪我は痛まないか?食事は?きちんと食べているのか? 完治するまでアルコールを取ってはいけないのだぞ……?

KHセフィロス:……ん。もう大丈夫だ。

ヴィンセント:本当はもっとゆっくりしていって欲しかったのに……治ったとは言っても、ようやく微熱が引いた時期だっただろう……? どれほど我々が心配したか……

ヤズー:まぁまぁ、ヴィンセント。見たところ、割と元気そうじゃん。受け答えも寝起きにしてはしっかりしてるし。

クラウド:そうだー!寝起きレポートだったのに〜ッ!

レオン:すまん、話の途中だがいいだろうか。

 >割って入るレオン。

 

レオン:……『セフィロス』。尋ねたいことがある。

KHセフィロス:……なんだ、仏頂面をして。おまえはいつも怒ってばかりだな。

ヤズー:やだなァ、レオンって、怒ってばっかなの?

カダージュ:『セフィロス』、かわいそう……

クラウド:嫌ですなァ〜、短気な男は、コレ。

レオン:黙ってろ、クラウド!

クラウド:(なんで俺だけ……)

レオン:『セフィロス』……さきほど、聞くとも無しに耳にしてしまったのだが……

KHセフィロス:なんだ、まどろっこしい。

レオン:いや、プライバシーに関わることだとは重々承知の上だ。ただ、俺としては、やはり……

セフィロス:おまえ、ホントにクソ堅苦しい男だな。……おい、ボケ老人。ラグナとは誰だ?寝言で呼ぶくらいだ。ずいぶんと懇意にしているヤツなんだろ?

クラウド:直球〜ッ! TVの前の皆様、お聞きになられましたでしょうか!? 同じ顔をしていながらも、飛び出す言葉は全然違います。セフィロス、直球です。デリカシーの欠片もありませんね!

 (ボコッ!)

クラウド:イダッ!なにすんの、セフィ〜〜〜ッ!

ヴィンセント:さ、さすがに今の言い方はクラウドが悪いだろう……

KHセフィロス:ラグナ……?寝言……? ああ……ふふ、なるほどな。

レオン:あ、いや……言いたくないのなら……無理にとは……プライバシーの侵害だということは理解している。だが、アンタになにかあったら、俺は責任を……

クラウド:責任ってなんスか?ヨメにでももらうんスか?

ヤズー:兄さん……混ぜっ返さないの。

KHセフィロス:いつも見る夢に……出てくるのだ。言葉は大人なのに、子犬のような姿をしていて……

レオン:……は?

KHセフィロス:白地に黒いブチのあるラグナ犬。……彼の帰りが遅かったのだ。だからついつい詰問するような口調になってしまって……

ヴィンセント:あ、あの……ええと……話が見えないのだが、『セフィロス』……

クラウド:TVの前のみなさ〜ん、どうもマジスイマッセーン!あっちの世界の『セフィロス』はですね、ちょっとこう夢見る美青年とでも申しましょうかッ!ええと話の疎通に少し時間がかかる模様です。カメラさーん、背景撮っといてくれますゥ?

KHセフィロス:……夢の中で……私は小さな町にひとり住まいをしているのだ。近所にはおまえたちも暮らしていて…… そう、そして私のまわりには何故か動物がたくさんいて……犬と猫を飼っている。

レオン:そ、それで……ラグナというのが……

KHセフィロス:飼い犬の名だ。この子はすごくこまっしゃくれていて、自己中心的で我が侭で食い意地が張っていて……

レオン:(……実物そのものだな)

KHセフィロス:……だが、気のよい暴れん坊といった感じで、とても可愛い。それから……そう、おまえもいるのだ、『レオン』

レオン:……は?

KHセフィロス:人間のレオンも居るが……犬のレオンもいる。

レオン:はぁ……

KHセフィロス:私の『レオン』は小柄だが、とても強い子なのだ。ナイトのように飼い主の私と他の子を守ってくれている。

レオン:〜〜〜〜〜〜〜ッッ

クラウド:あ、ちょっ……これは……鼻血でしょうかッ!? TVの前の皆様、大変です。レポーターのひとりが自失して鼻血を吹いておりますッ!

KHセフィロス:…………?

クラウド:ヤズー、ティッシュ取ってェェェ! レオン、鼻血もっと吹きそう?平気? コルアァァァ! ポケティじゃなくて、スコッティ、箱で!!

ヤズー:『私のレオンは』発言が効いちゃったかなぁ〜 うーん、若いっていいねェ〜

セフィロス:……修行が足りんな、レオン。っつーか、おまえの趣味がよくわからん。

KHセフィロス:……なんだ? どうしたというのだ?

ヤズー:ああ、ごめんねェ。さっき、あなたが眠っているとき、寝言で『ラグナ』ってつぶやいたんだよ。だから、みんな色々とあらぬ誤解をしちゃったみたいでェ。

KHセフィロス:ああ……なるほどな。それは先ほども言ったとおり、飼い犬のラグナの帰宅が遅かったのだ。それで理由を尋ねたら、そちらのセフィロスが別に家を買ったという話で……

ヴィンセント:えええッ!?

ヤズー:やだァ、別宅ゥ?ありがちありがち〜。アッハハハハ!

クラウド:やりそうだよねー。お妾さんとか囲ってさぁ〜。サイテー。

カダージュ:『オメカケサン』ってなぁに?

クラウド:あー、それはだなァ。ちょっとカダには難しいかもしれないけど……

ヴィンセント:ク、クラウド……!よ、よしなさいッ! セフィロス、あ、あの……その……君は、我が家を嫌ってはいない……な? わ、私や皆と一緒にいるのが……

セフィロス:ああーッ、イライラするッ! うざってェ! ビクビクするな、ヴィンセント! おい、ボケ老人ッ、貴様、同じツラしてよくもいけしゃあしゃあとくだらん発言を……

KHセフィロス:聞かれたから答えたまでだ。……なにをそんなに怒る?

ヤズー:そーだよねェ〜。むしろ、俺たちが怒れる立場じゃないっての。ほら、レポーターさんたち。さっさと取りまとめて終わりにしてよ。いいかげん、時間経っちゃうとまずいでしょ。

クラウド:そ、そうだったっ! うわっ、もうすぐ八時!? ダメじゃんっ!これからは一時間早い集合にしないとッ!ええと、まとめ、まとめっ!って全然突撃レポートになってないっつーか。まぁ、一応、寝起きの顔は撮れたけど……

KHセフィロス:…………?

クラウド:あ、すいませーん、カメラさん、コメント入れるんで、もう一度、『セフィロス』のアップでお願いします〜。おい、レオン、ほら、一応、そっちのほうからも何か一言……

レオン:………………

クラウド:ってゆーか、帰ってこい、レオン!いつまでも惚けてんなッ!

レオン:あ……あ、ああ……いや……その……

セフィロス:チッ……これだから恋愛免疫のない男は……オラ、撤収撤収!

ヤズー:でもさァ、ラグナさんって大統領なんだよね? ……ってことは、レオンは大統領子息!

レオン:……運悪く血が繋がっているというだけだ。本当にそれだけの関係なんだ。

ヤズー:やーん、じゃ、レオンの恋人って玉の輿〜ッ? 超うらやましィ〜

セフィロス:おい、ヴィンセント。おまえも、甲斐性なしのアホチョコボじゃなくて、こういう男を狙っていけ。本人はすっとぼけたカタギ野郎でも、大統領子息は美味しいぞ。

ヴィンセント:な、なんてことを……君と言う人は!

 

  

 >おはよーございまーすッ! 朝食のお時間でーすゥ!今日はパパも一緒に食べよ〜ッ★

 突如響き渡る脳天気な声……

 

クラウド:だ、だれか来ちゃった!

セフィロス:そりゃそーだろうな。いつまでもグズグズしているからだ。

KHセフィロス:……ラグナ……

ヤズー:え、うそっ!ラグナさん? ラグナ大統領!?  ちょっと会っていきた〜い!できればお友達になりたいなァ〜

レオン:よせっ! アンタみたいに綺麗な人はダメだ、ヤズー!

ヤズー:キャハッハッ! レオンおもしろーい!

クラウド:ねぇ、ちょっ……どうするどうする!? SPに撃たれるとかあり得る?

レオン:クラウド、こっちだっ! セ、『セフィロス』……し、寝室に押し入るような真似をしてすまなかったっ! この詫びはまた機会をみて重々させていただくことにする。そ、それから、できれば、もう少しくわしく夢の話を……

KHセフィロス:…………? ……ああ。

カダージュ:ねぇねぇ、ほら、レオン、時間ないんでしょ!

レオン:あ、ああ……じゃ、本当に済まなかったッ!! 失敬っ!!

クラウド:あ〜ん、もう、全然スクープ撮れてないじゃん!生足だけじゃーん。フツー、ガビガビティッシュや、使用済みコン○ームくらい……

セフィロス:性欲ないんだろ、ボケ老人だからな。

ヤズー:その言い方ってちょっと差別的だと思うよ。

カダージュ:僕もそう思う〜!

レオン:いいから、走れ、こっちだ!

ヴィンセント:あぁっ!

セフィロス:転ぶな、ヴィンセント。ったくトロイ野郎だな。来いッ!

クラウド:ああ、ちょっ……セフィ! ヴィンセント、抱きかかえんのは俺の役目ーッ!

ヤズー:兄さんの身長的にちょっとキビシイと思うよ?

 

 一同、退場!!

 

ラグナ:おっはよー、朝ご飯の時間だよ〜★ あれ、めずらしい、まだ寝間着のまんま?

KHセフィロス:……いや、ああ……夢を見ていたようだ……

 

最後まで、ドタバタコメディ風に慌ただしく終了した、突撃レポート寝起き編。

だが、KHセフィロスの寝顔と生足が激写できたことに鑑みても、第一回としてはなかなか健闘したといえようか。

 

視聴率さえ良好ならば、第二、第三のレポートが組まれることになろう。

 

第二回突撃レポートは敢行されるのであろうか……?

だとしたら、次のターゲットは一体だれに……?

 

さまざまな推測の余地を残し、第一回突撃レポートは幕を閉じるのであった。

 

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