『被虐の孔奴隷~ふたりに愛されて~』
 
<3>
 
 ジェネシス
 

 

 

「う、後ろがもどかしい……中に……欲しい」

 羽根ぼうきでくすぐられるのがつらいのだろう。彼は大きく足を割り開いたうつぶせの体勢のままそう応えた。

「そうだね、次は君のイクときの顔を見せてもらおうか。レオン、もうそろそろ入れてやってくれ」

 俺がそういうと、うつろな眼差しをしたレオンは、高く掲げられた『セフィロス』の尻を両手で掴んだ。先ほどからの愛撫で、その部分はすっかり蕩けてヒクヒクと涎を垂らしている。

「もう、十分慣らされているようだね。レオンのものを美味しくいただきなさい」

 俺がそういうと、レオンは十分に固くそそり立った陽物を、『セフィロス』の後ろに宛がった。

「あぁ……」

 『セフィロス』が期待に満ちた掠れた声を上げる。

 ぐぷっ

 男根の先端が飲み込まれる。

 ぐぷっ……ずぷっ……

「あッ、あぁッ!」

 レオンはまったく表情を崩さず、根元まで『セフィロス』の秘孔に押し込んだ。

「どう? レオンのは美味しい?」

「あッ、あぁッ……はッ」

 寝台に這い蹲って、『セフィロス』は尻を震わせる。

「レオン、そのまま彼をいかせてやってくれ。中に存分に放つといい」

「わかった」

 感情の見られない顔で、そう返事をすると、レオンは、『セフィロス』の腰を掴んで抜き差しを始めた。

 

 ぐぷっ、ずちゅ、ぐしゅ、

 濡れた音が室内に響く。

「あッ、あぅッ、あぁッ」

 レオンの腰使いに合わせて、セフィロスが声を漏らす。

「あぁ、いい顔だね。感じているのがよくわかるよ。そんなにレオンのがいいの? 少々妬けてしまうなぁ」

 『セフィロス』の顎をとらえて上向かせ、俺はそうささやいた。

 パンパンと肌のぶつかる音が早くなる。

 だが、まだレオンは堪えている。額に傷のある彼は、わずかに眉根を寄せたまま、高ぶったおのれのもので、『セフィロス』を責め続けていた。

 

 

 

 

 

 

「あ、あぁッ、レ、レオン、も、もう……」

「…………」

 俺が小説の中で作り上げた人格……『レオン』は、無表情のままだ。

 ちらりと俺に視線をよこしたのは、「このままいかせていいか」という確認だろう。

「レオン、あッ、あぁッ、あぁッ」

「いいよ。思い切りイクといい」

 俺は腰をかがませて、『セフィロス』の顔を、くいと持ち上げる。

「君の可愛い顔をたっぷりと眺めさせてもらうよ。……レオン」

 レオンに、そう声を掛けると、彼は腰の動きを早めた。

 ずぷっ、ぐぷっ、ぐちゅ

 淫猥な濡れた音も気にせず、激しく抜き差しする。

「あッ、あッ、あぁッ、あぅッ」

 気付かぬ前に『セフィロス』自身が、尻を振ってレオンの一物を喰い絞めた。

「くッ……」

 レオンが歯を食いしばり、整った顔がわずかに歪んだ。

「あッ、あぁーッ」

 『セフィロス』が俺に顎を取られたまま、高い嬌声を上げる。

 ふたり、ほとんど同時に達したようだ。

「よかったようだね、『セフィロス』」

「あッ……はぁッ、はぁッ」

 びくんびくんと白い双丘が震えている。強烈な快楽の余韻が彼の身体を支配していた。

 一方、レオンは深く息を吐き出しただけで、もとの表情にもどっていた。

「次は俺が使わせてもらおうかな。君の顔を見ているだけでいけそうだ」

 レオンに場所を譲ってもらうと、まだ、息の整わない『セフィロス』の後孔に触れた。

「ジェ、ジェネシス……ま、待って……」

「こんなに涎を垂らして欲しがっているのに、ひとりじゃ、全然足らないだろう?」

「あ、ジェ……ジェネシス」

 俺は、レオンの残滓に濡れているその部分に、すでに立ち上がったおのれの男根を宛がった。

 軽く力を入れると、その部分はじゅぶじゅぶと俺のものを飲み込んでゆく。

「たっぷり出してもらったんだね。こんなに動きがスムーズだ」

 ずぷ、ずぷと出し入れをするが、可憐な秘孔は、俺のものもきゅうと喰い絞めて、貪欲に快楽を追ってくる。