『奴隷調教~愉悦の孔奴隷~』
 
<最終回>
 
 KHセフィロス
 

 

 

「よし、アナルプラグを外してやろう。お尻を立ててこちらに向けるんだ」

 ようやくこの地獄のような責め苦が終わる。私はそう思いながら、尻をジェネシスに向けた。

「洗面所の扉は開けたままになっているからね。漏らさずにそこまで行って排泄するんだ」

「『ハ、ハイ』」

「大分聞き分けがよくなってきたかな。それじゃ、プラグを外すよ」

 ジェネシスはそういうと、私の尻の中で膨らんで穴を塞いでいる器具を器用に扱った。

 ずるりとそれが引き出されると、私はなんとかトイレまで歩いて行った。

 体内の苦しいモノをすべて吐き出す快感にしばし酔ったほどだった。

 

「間に合ったようだね、『セフィロス』」

 ジェネシスは道具を片付けながらそう言った。

「それじゃ、続きは風呂場でやるよ。すっかりと君の中を綺麗にしてあげよう」

「……つ、続き……?」

「そうだよ。いつでもお浣腸のお仕置きをいただくときは、すっかりお腹を綺麗にしなければならない。前にも五回ほど浴室でお湯を入れられただろう。今日も出てくる液がすっかり透明になるまで、繰り返しお掃除してあげるからね」

「…………」

 ……無駄だ。ここで反抗しても、さらに仕置きが厳しくなるだけだ。

 何度かこの世界にやってきて、私はジェネシスの……『総統』の顔をしている彼の嗜好を読み取れるようになってきていた。

「さぁ、風呂場へいこう。浴室のマットに、お尻を高くあげてうつ伏せになるんだ」

「レオンが後ろから私を抱き上げて、さっさと浴室に連れて行ってしまう。大きなマットの上に、身体を下ろし、ジェネシスに命じられた姿勢を取らせた」

「レオン、今度はお湯を注入してやってくれ。2リットル入れたら、排泄させるんだ」

「わかった」

 レオンはふたたびイルリガートルの管を、私の肛門に挿入し、ポンプを速いペースで押していった。

「あッ、あぁッ……あぅん」

「いい声だね。好きなだけ喘いでいいよ」

 じゅぽ、じゅぽ、ぐぷっ、ぐぷっ

 あっという間に私の下腹は、さきほどと同じように大きく膨らんだ。

「よし、出せ」

 レオンはそう命じて、管を私の尻から外す。

 ブシャアアァァと下品な音をさせて、私の後孔から弧を描くように湯が噴射した。

 

 

 

 

 

 

「全部出したな。また中に入れるぞ」

 大分慣れてきたのだろう。レオンはてきぱきとおのれの職務を遂行していった。

「ああ、可愛い孔奴隷だな。見ていたら、孔を使いたくなってきたよ」

 ふたたび風船のようにお腹を膨らませた私を見て、ジェネシスが熱に浮かされたような声でささやいた。

「使うか、ジェネシス」

 とレオンが訊ねる。

 ジェネシスはそれに頷き返し、私の腰を強く引き寄せた。

「ああ、もう溢れそうなんだね。それじゃ、俺が栓をしてやろう」

 お湯で満たされたその部分に、ジェネシスのペニスが潜り込んでくる。

「あぁッ……ジェネシスぅ……」

「よし、いい孔だ。そのまま強く喰い絞めてごらん」

 パンパンと腰を打ち付け、ひねり込むようにペニスを突き込んでくる。奥のいいところを抉られて、私は泣き声を上げた。

「ひぁん……あぁッ……奥……奥……いい……」

「奥のいいところに届いたかい? たっぷり楽しませてもらおうか」

 ジュプッ、ズプッ、グプッ、ヌプッ

 とリズミカルに孔を突かれる。

 ジェネシスに翻弄される私は、本物の孔奴隷になっていく気分だった。

「いいよ、中に出すからね。そうしたら『栓』を外してあげよう」

 ずぽっ、ぬぶっ……

 と、深く抉り込んできたかと思うと、ジェネシスは私の敏感なしこりに精を叩き付けた。

「くッ……」 

 ジェネシスが喉の奥で声を上げる。次の瞬間、彼は私の後ろからペニスを抜き去った。

「あぁッ……あーッ……」

 堰き止められていた液体が、栓を外されて一気に飛び出る。

「あぁーッ、出る、出るぅ……!」

 私は同時に射精すると、マットの上に頽れた。

「よし、これで五回目。体液は透明になったぞ」

 まるで化学の実験のようにレオンがジェネシスに告げた。

 

 

 

 

 

 

「それでは今日の調教は終わりかな」

 ジェネシスはそういうと、私の身体をやさしくバスタオルで包んでくれた。

「……俺は先に帰らせていただく」

 レオンはそれだけを言い残すと、いつものように、さっさと部屋を出て行ってしまった。

「相変わらず、無愛想な子だね。自分だって相当『セフィロス』のことを気に入っているくせに、なにも言わないで」

「…………」

 意外なことを言われ、閉じていた目を開いた。

「ああ、『セフィロス』。眠り込んでしまったのかと思ったよ」

「……レオンは……」

「ああ、たった今帰ってしまったところだよ。どうしたの、彼に用があったのかな?」

「…………」

 私は緩慢に頭を振った。

 ここのレオンは、私の知るレオンとは異なる……別人であると考えるべきだ。それは十分わかっているのに、同じ顔をしている彼を見ているといつか私も、レオンに呆れられて捨てられるのではないかと不安になる。

 レオンが、私の異常な性癖を知ってしまったら……

「そら、扉が見えてきた。衣を着て……ひとりで着られるかな」

 もたもたとエスタの貫筒衣を身につけ、私は自身の足でしっかりと立ち上がった。

「それでは『セフィロス』。気をつけて」

「……ああ」

「『また』、ね」

「…………」

 それには何も言い返さず、私は扉を開いたのであった。