『被虐の孔奴隷~ふたりに愛されて~』
 
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 ジェネシス
 

 

 

「あッ……はぁッ……ん……」

 『セフィロス』の息が弾んでくる。ただ尻に香油を塗り込まれているだけなのに。四つん這いになった恥部を、レオンに見られているというのもその理由のひとつだろう。

 レオンはとても丁寧に香油を塗り込めている。

 これから使う、彼の最奥を目の前に暴き、そこにもたっぷりと注ぎ込んでやっていた。

「あッ……はぁッ……あんッ」

「じゃあ、セフィロス、もう一度、俺のを咥えて。上手に出来るようにならなければ、いつまでもいかせてあげられないよ」

「あ……はぁッ……はぁッ」

「レオンの愛撫に痺れるんだね。同じように心をこめて咥えてごらん」

 彼の前にふたたび、ペニスを差し出すと、素直にそれを口に含んだ。

「ちゅぶ……ぐちゅっ……んぐ……はぐッ」

「そう根元から先まで、喉の奥から扱きあげるようにして」

「ちゅぶっ……ぐちゅっ……ん……あぐっ」

「舌は竿の裏筋を探ってみてごらん。それから鈴口も舐めて」

「ちゅぐ……ずる……じゅる……くちゅ」

 素直に彼は俺の指示に従った。だが、どうにも奥からこみ上げてくる快感を持て余してしまっているようだ。

 レオンは的確に『セフィロス』の弱い部分を責めているらしく、フェラチオよりも後ろからの悦楽に酔っている様子である。

「じゅる……ちゅぷ……んあ……あふッ……あ……も、もうイク……!」

 せっぱ詰まった様子で『セフィロス』が叫んだ。

 レオンは表情一つ崩さず、彼の中を指で犯していた。おそらく彼の弱いところを知り尽くしているのだろう。その部分を執拗に責めて射精を促している。

「まだフェラも出来ていないのに、もう少し辛抱して」

「無理……あ、ああ……レオン、指……いい。もっとぉ……あッ、あはぁッ!」

 ビクンビクンと身を震わせると、セフィロスは劣情をほとばしらせた。

 

「……やれやれ、仕方がないね。レオン、起こして四つん這いにさせて」

 レオンは、そのまま彼の身体をぐいと引き起こした。感情のないダークブルーの双眸が、冷たく『セフィロス』を見下ろしている。

「どうも直接的な刺激だと、すぐに放ってしまうから躾けにならなさそうだね」

 ため息混じりにそう言って、俺はおもちゃ箱の中をさぐってみた。

「ああ、これなんていいんじゃない。羽根ぼうき。彼に口で奉仕させている間、これで後ろをくすぐってあげれば悦ぶんじゃないかな」

 そういって手渡すと、彼は無言のまま、羽根ぼうきを『セフィロス』の背中から尻に向かって走らせた。

「あッ……あぁッ」

 新しい刺激に貪欲な肉体が反応する。

 

 

 

 

 

 

「ほら、『セフィロス』、もう一度咥えて。次はきちんとできるまで終わらせないからね」

 俺は彼の白い頬を撫でて、そう告げる。

 『セフィロス』は素直に、半立ちになったままの、それを口に含んだ。

「ちゅっ……ちゅぶッ、くちゅ、ぬちゅ」

 言われたことを一生懸命思い出して、舌を動かしているのがわかる。根元から穂先まで、喉の奥からずるりと舐めあげ、雁首にもたっぷりと唾液をからませて奉仕している。

「うん、いいね……上手だよ」

 レオンが羽根ぼうきで、尻の割れ目をくすぐるのに、彼は大きく脚を割り開いて、貪欲にその悦楽を感じようとしていた。

「んちゅ……ぐちゅ、ぐぷっ……」

「ああ、いいよ、気持ちいい……出すから、飲んでごらん」

 ぞろりと大きく舐めあげられた瞬間、腰に電気が走るような快感が襲ってきた。俺は健気にも俺を咥えたままの彼の口腔に向けて、こらえていた熱の塊を吐き出した。

「ぐっ……ぐぷっ……げほっ、ごほっ」

 『セフィロス』は、なんとか嚥下することはできたものの、咽せて大きく咳き込んでしまう。

「大丈夫かい?」

 彼の背中を撫でてやって、呼吸が治まるのを待つ。

「よくできたね、いいこだよ」

 長い髪を梳くように撫でる。

「ご褒美をあげようか。何をして欲しい?」

 と俺は『セフィロス』自身に訊ねた。