『被虐の孔奴隷~ふたりに愛されて~』
 
<5>
 
 ジェネシス
 

 

 

「セフィロス、そんなふうに腰を動かして……エッチだなぁ。もしかして足りなかったの」

「ジェ、ジェネシス……もっと……欲しい」

「いやらしいことのお願いはすぐにできるようになったんだね。指だけじゃ物足りなくなったの?」

 そう訊ねると、彼は素直に頷いた。

「せっかくお掃除したのに仕方がない人だね。それじゃあ、レオンのを舐めてあげて、後ろは俺が可愛がってあげるから」

 レオンが指を抜き去ると、セフィロスはすぐに彼の前に両手を着き、その高ぶりを口に咥えた。四つん這いで、必死に奉仕する。

「せっかく中を掃除したのだから、お道具を使ってあげよう」

 俺はセフィロスの後ろに、ローターを飲み込ませた。

 それほど大きくもないそれは、ごく簡単に、くぷりと彼の後孔に入ってしまった。

「セフィロスは始めて使うかな。けっこう振動が強いから、気持ちがいいと思うよ」

 リモコンをオンにすると、ヴィーンという振動音が響いた。

「あ、ああ、あぁッ!」

 ビクンビクンと白い双丘が震える。レオンの陽物が口からこぼれ落ちた。

「おしゃぶりをさぼっちゃダメだよ、ほら」

 ぴしゃりと彼の尻を平手で打つと、ふたたび彼は奉仕に戻った。だが、尻での刺激が強すぎるのか、なかなかフェラチオに集中できない。

「んぐっ、ちゅぶ、ぐぷっ……」

「レオンより先にいっちゃダメだからね」

「ふぐっ、んぷっ、ちゅぼ……」

 ふたたび、ローターのスイッチを入れると、今度こそは口から吐き出しはしなかったものの、びくびくと下肢を震わせて、今にも上り詰めそうになった。すぐにリモコンを切ってやる。

 

 

 

 

 

 

 これは残酷だが、なかなか楽しいオモチャだ。

 レオンの大きく膨らんだ男根が、形のいい唇から出たり入ったりする様は、遠目で見ても、たいそう被虐的なシーンに見える。

「んッ、ちゅぶッ、ぐぷッ……」

「ジェネシス……」

 レオンが表情のない眼差しで俺を見た。そろそろだということだろう。それに頷き返し、ローターのスイッチを入れた。

「んぐッ……ちゅ……ちゅぶ、ぐぽッ」

「あ……く……ッ」

 レオンが軽く歯を食いしばると、『セフィロス』の口腔に精を放った。

「ゴクッ、ゲホッ、ゴホッ……!」

「よくできたね、いいこだよ。それじゃ、セフィロスも出していいから。ほら自分で掴んで、好きに擦るといい」

 俺は『セフィロス』の手を、自身の陽物に触れさせて、リモコンを強くした。

「あッ、あぁッ、あぁッ」

 両足を広げたまま座り込み、自慰行為をおこなう様は、色に取り憑かれ、堕落した天使のようにも見える。

「さぁ、思い切りイクといい」

「あぁッ、ジェネシス、い、イク……!」

 彼はせっぱ詰まった声でそう叫び、俺の目の前で、おのれの劣情を存分に吐き出したのであった。

 

 

 たっぷりと湯を身体にかけ、湯船に浸からせる。

「今日もよかっただろう、セフィロス」

 今にも眠ってしまいそうな彼に声を掛けた。

「これでレオンがもっと乗り気なら、ますます面白いことになったのに……まぁ、仕方がない。小説ではレオンという人物は出てこないのだから」

 レオンはとっくに湯から上がり、身繕いをしている最中だ。

「でも、レオンに抱かれている君はとても綺麗だったよ。あんな顔をしてイクところなんて、こうして三人揃わないと見ることなんてかなわないものね」

 

 俺はバスローブを羽織ると、すでにジャケットまで着込んだ『レオン』に声を掛けた。

「レオン、今日は楽しめたかい?」

「…………」

 感情の無い瞳はそのままに、彼は低く、「ああ」とだけ応えた。

「それじゃ、またいつか遊びにきておくれ。できればもうちょっと楽しそうにしてくれれば嬉しいけど」

 そう言って、彼の額の傷にキスをした。

 無言のまま、部屋を出て行く。