『被虐の孔奴隷2 ~ふたりに愛されて~』
 
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 KHセフィロス
 

 

 

「レオン、もう、イク……またイク……!」

「ああ……」

 とレオンが耳元で応えた。そのささやきでさえ、今は私を煽るだけだ。

「あッ、あッ、あふッ、あぁ……レオン……!」

「くッ……」

 私たちはふたりで、上り詰め、一緒に落ちた。

 レオンの熱い飛沫が、私の体内に放たれ、私はジェネシスの目の前で勢いよく射精したのだ。

「今日は何度目?三度も出したかな。もう満足した?『セフィロス』」

「も、もう……いい……もう……帰る」

 私は強情にそう告げた。

「……まだ、『扉』は見えないんじゃないか?やさしいレオンは満足してくれているかもしれないけど、俺は足りない。『セフィロス』もそうだろう?もっとこの甘い陶酔を味わいたいはずだ」

 ジェネシスに魅入られたように私は動けなくなる。

 このまま、言うことを聞けば、今よりもっと強い快感に出会えるのかもしれない。もっともっと悦楽に酔えるのかもしれない。

 

「そうだよ。俺の言うとおりにすれば、君は満足できるさ。しかも今日は外での無礼講だ。君だって期待しているだろう?肌に食い込むロープの味はどう?」

 両手足が自由になったといっても、身体には紅い紐が結びつけられている。

「そのロープ、君の白い肌によく映えるよ。今度はこっちの首輪を付けてあげよう」

 ジェネシスはそういうと、例のオモチャ箱から、美しい細工の首輪を取り出した。

「着けてあげるからおとなしくして」

 ……まただ。

 また、逃げられない。

『大人しくして』と言われても振り切って逃げればいいのに、それがどうしてもできないのだ。いや、それどころか、私自身の中で、熾火のごとくくすぶっていた火種がふたたび燃え上がってくるようだ。

「あぁ、綺麗だ、よく似合っているよ『セフィロス』」

 ジェネシスは私に、犬のように首輪を付けて喜んだ。宝石をちりばめたそれは、一見ネックレスのようにも見えるがリードを繋ぐ輪もついている首輪であった。

 

 

 

 

 

 

「せっかく外にいるんだから、その格好でお庭の散歩に出てみてはどうかな」

 ジェネシスが私の首輪にリードを取り付けてそういう。

「ああ、『軍の狗』なんだから、尾っぽが必要だね。さっそく入れてあげるからお尻をこっちに向けてごらん」

 おどおどとジェネシスのいうような格好をした私に、レオンがオモチャ箱から犬の尾のアクセサリーがついているバイブレーターを取り出した。

「レオン、中に入れてあげて。ああ、なじませなくても十分濡れているよ」

 ジェネシスがそういう。

 レオンが私の尻に手を掛けると、最奥のつぼみにバイブを押し込んだ。

「あッ……はぁッ!」

 ずるずるに濡れそぼったその場所は、十分な質量のバイブでさえ、しっかりと飲み込んでしまう。

「リモコンはこれだね。はい、レオン。俺はここでお茶しているから、のんびり歩いておいで。もちろん、『セフィロス』は四つ足でね」

 庭の中をこんな格好で歩かされるなんて……まさか、誰か他に人がいるのだろうか。

 いや、そんなはずはない。

 そんなはずは……

 

 くいとリードを引っ張られて私は、気を元に戻した。

「ジェ、ジェネシス……こんな外で……もしも誰かに見られたら……」

「ワンちゃんは大人しく散歩にでかければいいんだよ。後のことはレオンに任せるから」

 ジェネシスは自身のために茶器の準備をしながらそう言った。

「……大丈夫だ、ここには俺たち以外の誰もいない」

 私に同情したのか、ジェネシスには聞こえないように、レオンが低い声でそうささやいた。