『被虐の孔奴隷2 ~ふたりに愛されて~』
 
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 KHセフィロス
 

 

 

 

「やぁ、レオン、どうだった。楽しめたかい?」

「ああ」

「ペットはいいこにしていた?」

「……ああ」

 レオンは機械的に頷く。

「そうかい。それはよかったね。じゃあ、サンルームにあるバスへ移動しよう。今日は外で楽しんでしまったから、身体を洗わないと」

「……俺はいい」

 面倒くさそうにレオンが言った。

「せっかくなんだから付き合ってよ。可愛いペットにご褒美もあげなきゃいけないし」

 ジェネシスがそういうと、レオンは無言のまま従った。

 

 サンルームと言ってもただのガラス張りの狭い場所ではない。

 下手をしたら、普通の住宅一つ分はありそうな豪壮なものであった。その中央に風呂があり、いくつものシャワーや、リラクゼーションに使うマットなどが置いてあった。

 私は身体を縛めるロープを外してもらうと、

「さぁ、『セフィロス』。いつもどおりお掃除してあげるから、マットの上で準備をして」

 ジェネシスに促され、外とは違うまぶしい室内で、腰を高く上げた恥ずかしい格好になった。

「今日はずいぶんたくさん注いでもらったものね。掻き出してあげないと。レオン、頼むよ」

「わかった」

 レオンは指を二本ほど、私の最奥に挿入すると、中に溜まった欲望の残滓を掻き出し始めた。

「んッ……あッ……」

「ほら、腰をくねらせないで。中から掻き出せないだろう」

「……すごいな、こんなにたっぷり入っている」

 少し驚いたようにレオンが言った。

「お腹を壊すといけないからね。指でしっかり出してあげて」

「わかった」 

 じゅぷっ……ずちゅ……ぐぷっ……

 耳を覆いたくなるような音がして、私の後ろからふたり分の体液を掬い出す。

 レオンにそのつもりはなくても、指の強い刺激が、前立腺に伝わって、萎えたペニスが勃起してゆく。

「おやおや、またここを大きくして。後始末中だというのに、どうするの?」

 ジェネシスが大げさにため息を吐いて、私の前を嬲った。

「ジェネシス、中はもうこんなものでいいだろう」

 レオンは使った指を湯で洗うと、機械的にそう告げた。

 

 

 

 

 

 

「さて、今日のレッスンはこれで終わりと言ってあげたいところだけど、『孔奴隷にお仕置き』なのに、全然お仕置きになってないよね。拘束具もすぐに外してしまったし、こうして後始末をしてあげている間にも、いやらしく立たせているのだから」

 さも嘆かわしいというように、ジェネシスが言った。

「もうちょっと『セフィロス』は、いろいろ我慢できるようにならないと。すぐにひとりで気持ちよくなってイッてしまっては、孔奴隷とは言えないからね」

「わ、私は、孔……奴隷などでは……」

「何を言っているの?それを期待して本を読んでいたくせに」

 クスクスと笑いながらジェネシスが言う。

「……そうだね、やはりお仕置きと言ったら、お尻ペンペンかな。我慢のきかない孔奴隷にはご褒美になってしまうかもしれないけど」

 そういうとジェネシスは、レオンを呼んだ。

「ほら、お尻叩きは前にもされたことがあるだろう。大人しくレオンの上に腹ばいになって準備して」

「もう……やめ……」

「ダメだよ。きっちり調教しないと、いつまで経っても従順なペットにはなれないんだから」

 ジェネシスは全裸で四つん這いになっていた私を、無理やり起こしてレオンの膝の上に据えてしまった。

 ジェネシスならばともかく……レオンにこんな恥ずかしい姿を見せるなど……仮にそれが、この小説の中でのかりそめのレオンであったとしても、到底素直に応じられるものではない。

「や、いやだ……レオン、放して……くれ」

「……無理だ。おとなしく仕置きを受けるんだな」

 素っ気なくレオンが言う。物語の中のレオンはあまりに私に冷たい。

「レオン、素手で三十回叩いてあげて。動いたり逃げようとしたら、十回ずつ追加でね」

 ジェネシスはレオンにそう告げると、私の顎をとって笑った。

「レオンにお仕置きされれば、少しは我慢が利くようになれるかな。君はご主人様を差し置いて、快楽を追ってしまうからね。これはその罰だ」