~この手をとって抱きしめて~
 
<3>
 
 スコール・レオンハート(レオン)
 

 

 

「そんなことより、続きを……」

 セフィロスは自ら自身の衣服を脱ぎ捨てると、生まれたままの姿になった。そのまま寝台の上で膝立ちになっていた俺の服を脱がそうとする。

「いや、セフィロス……今日は別にそんなつもりで……」

「なんだ、嫌なのか? 私に触れたくないのだとでも……?」

「違う。そ、その、昨日も……しただろう。アンタの身体に負担がかかる。今日は話でもしようと思って……」

 俺がそういうのに、セフィロスは手を休めることはない。無理やりシャツを脱がされて、裸になった胸にキスをされた。

「負担など、どうということではない。……私がしたいのだ」

 乳首に舌を絡め、吸い上げてくる。

 そこが性感帯であるという自覚はなかったが、彼のくすぐったいような愛撫で、下肢はふたたび熱をもって立ち上がりつつあった。

 

 いつの間にか彼の下になっていた体勢を変えるべく、身体を持ち上げて、彼の腕をとる。

 そのまま乱暴にならないよう、寝台に押しつけると、今度は俺の方から、彼の胸の飾りを愛撫した。

 軽く摘み上げ、少し強く歯を立てると、うす桃色のその部分はピンク色に充血して立ち上がってくる。

「あッ……あぁ」

 掠れた喘ぎ声を耳にして、俺はさらに乳首への刺激に没頭した。

 舌の先でころころと転がし、軽く歯を立てては、摘み上げてやる。

「あッ……や……ッ、あん」

「昨日の痕が付いている……アンタの肌は鬱血しやすいんだな。気をつける」

 そういって、徐々に唇を胸から下腹に移動させていった。

「あ……ふ……」

 脇腹の傷跡をついばんで、細い腰の線にそって移動する。

 すでに力を持って立ち上がりかけていた、彼自身をそっと手に包むと、腰がぐいと浮いた。

「あ……あぁッ……レオン」

 ゆるゆるとしごくだけで、彼のものは熱を持ち、先走りを伝わらせながら解放を待っていた。

「いいか、セフィロス……」

「あ、いい……いい……レオン」

「このまま、一度出して……」

 そう言って、俺は扱く手に力を込めた。激しく上下に擦り、亀頭の筋に軽く爪を立てる。

「あッ……はッ……!で、出るッ!」

 セフィロスはそういうと、ぶるぶると胴震いをし、俺の手の中に劣情を力一杯放った。

 

 

 

 

 

 

「はぁ……はぁ……」

 荒い息を吐く彼の胸をそっと撫でてやり、高ぶりが治まるのを待つ。

 ……しかし、なんて美しい顔だろう。肌が雪のように白いのはいいとして、睫毛が長くて鼻筋も通っている。薄めの唇はいつもなにか物問いたげな様子で、きつく結ばれることはない。

「はぁ……はぁ……」

 吐息が落ち着いてから、セフィロスは俺のとなりに膝行ってきて、ごろりと横になった。

「なにをじろじろと見ているのだ」

 彼が言った。どうやら俺はぶしつけにもその顔をじろじろと眺めていたらしい。

「あ、い、いや失敬……綺麗な顔だなと思って……悪かった」

「何を言うのかと思えば……おかしな男だ」

 頬がほんのり上気しているのは、照れている証拠なのだろうか。それとも先ほどの絶頂のなごりなのか。その見分けが付かないうちに、セフィロスがごそごそと俺の下腹をくすぐってきた。

「セフィロス……今日はもういい。このまま……」

「私は物足りない。もう一度よくしてやろう」

 二度目のフェラチオに、俺の中心はあっという間に上り詰めた。今度は無様に吐き出さないよう、セフィロスの頬を撫でて顔を放させる。

「レオン、そのまま寝ていろ。今日は私のほうから……」

 そういうと、セフィロスは俺の身体を跨った。

 起立した俺の分身を自らの下肢に導く。

「セ、セフィロス……無理だ。そっちをほぐさなければ、痛みが……」

「問題ない……」

 彼は自身の後孔に、俺の熱の塊を当てると、ゆっくりと腰を下ろしてきた。

「くっ……あぁッ……」

 きつく眉根が寄せられ、つらそうな吐息が漏れる。

「無茶だ、待ってくれ、セフィロス」

「ん……あ……あぁ……はぁ……」

 深く空気を吐き出し、ふたたび彼は俺の分身を身の内に入れようと試みた。固く閉ざされているその部分は、いつもと異なる圧迫感がある。それでも、徐々に狭い部分に入り込んでいった。