～この手をとって抱きしめて～

＜５＞

スコール・レオンハート（レオン）

「アンタが不安になる必要はどこにもない。……セフィロス」 　そう言ってふたたび物言いたげな唇にキスをする。今度はそのまま彼の身体を引き倒して、身体の下に組み敷いた。 　途中になっていた胸の飾りへの愛撫を繰り返すと、吐息が熱を持ち、冷たい肌が徐々に上気してゆく。 「ん……レオン……」 「大人しくしていてくれ。足を開いて」 　腰の下に枕を敷くと、俺はセフィロスの脚を割り開いた。 「やッ……」 　彼が両腕を顔の上で交差させる。……顔を見られたくないというのだろうか。セフィロスが恥じらう姿はそれだけで新鮮な感じがした。 　注意深く最奥に指を這わせると、びくんと彼の身体が反応する。 「大丈夫だ、痛くはしない」 　やさしい声でそう告げて、俺はその部分を舌で愛撫した。 　周囲の襞をほぐすように舐め、舌を入り口に潜らせる。 「ん……あッ……」 　掠れた甘い声が漏れる。 「……紅くなっている。出血していないのはよかったが……あんな無茶なことをするからだ」 　叱りつけるつもりはなかったが、俺はそう言って彼の乱暴な行為を自覚させた。 「こうしてゆっくりほぐしてやれば、アンタの身体に掛かる負荷も少なくなるだろう」 「あッ……あぁッ」 　濡らした指先で入り口を広げ、ゆっくりと挿入した。彼の男性の部分は、奥をいじられたせいなのだろう、ふたたび力を持って立ち上がりつつあった。 「ん……あ……レオン」 「痛いか？」 　ゆるゆると指の抜き差しをしながら、そう訊ねる。 「痛くは……ない」 「それならいいが……あまり無茶なことはしないでくれ」 　そういうと、彼は素直にこくこくと頷き返してくれた。 　彼の後ろが十分ほころんだのを見計らって、足を抱え上げる。 「痛かったら、言ってくれ」 　     ★       　雫を垂らして、悦んでいる入り口に、高ぶった物を宛がう。 　そのまま、ゆっくりと肉を分けて、押し入っていった。 「あ……ん……ッ」 　美しい眉が寄せられ、声を抑えるように唇が噛みしめられた。 「大丈夫か、セフィロス？」 　彼の腕が俺の背中に回される。 　ねだるようなしぐさをしていても、生理的な恐怖があるのはよくわかっているつもりだ。そもそも男性のその部分は受け入れるように出来ている器官ではない。 　道を付けられる痛みへのおびえがあるのが当然なのだ。 「い、いい……レオン……動いて」 　セフィロスが言った。 　ゆっくりと腰を使う。中をかきまぜるように動き、彼の弱い部分を先端で探るのだ。 「あッ……あぁッ、そこ……」 　ぐぐっとセフィロスの背が持ち上がる。前立腺を擦り上げたのだろう。彼が腰をうねらせて、よい部分を自身で探った。 「あッ、あッ、あぁッ」 　背中に彼の爪が食い込む感触がある。 　ぐんと腰を引き出して、ふたたびズンと深く押し入った。 「あぁッ」 　という高い嬌声は、鼻にかかったようでどこか甘い。 「いいか、セフィロス……」 「いい、もっと、もっと、レオン」 　ねだられる声に煽られて、俺は強く腰を抜き差しする動きを繰り返した。 「あッ、あぁッ、あんッ、あぁッ」 　俺の律動に合せ、彼の喘ぎ声が大きくなってゆく。 「あ、レ、レオン……も、もぅ……」 「俺も限界だ……」 　そう応えた。 「レオン……いくッ、もぅ、いく……！」 　ぶるぶると胴震いして、彼は熱い飛沫を自身の腹の上に吐き出した。後ろの孔がきゅうっと締まる。その感覚に俺自身も、たっぷりと彼の腹の中に劣情を吐き出した。