~この手をとって抱き寄せて~
 
<16>
 KHセフィロス
 

 
 

 

 

「せっかく買ってきたサイカフスを着けてあげるよ。気分が出るんじゃないかな」

 そう言って、ジェネシスは裸になった私に、腕と太ももをつなぎ合わせる拘束具を使った。

 尻を高く掲げた格好でベッドに転がされる。

「ふふ、いいね。お尻の孔がまる見えだ。孔奴隷にふさわしい格好だな」

「あ……はぁ……あふ……」

「縛られただけで興奮してしまったの。今夜は長い夜になりそうだね」

「ジェ、ジェネシス……もっと、早く……」

「まぁ、待ちなさい。まずは孔奴隷に、先にイッた罰を与えなくてはね。さぁ何て言うんだっけ?」

「……ッ 『あ、孔奴隷に……お仕置きをお願いします』」

 熱に浮かされたように、私はそうつぶやいた。

「そうだよ、よく言えたじゃないか。いいこいいこ」

 髪を撫で、私の額にキスを落とした。

「この薬……さっき一緒に買った媚薬なんだが、これを試してみたいんだ。まだ誰にも使ったことがないから、効き目がよくわからなくてね。孔奴隷に実験台になってもらおうと思って」

「…………」

 私はジェネシスが差し出して見せた薬を、まじまじと見つめてしまった。

 綺麗な小瓶に入っているそれは、白い軟膏で、見た目はあくまでも普通だった。

 

 ジェネシスは私の尻孔を指でほぐすと、クリームを指先にとって、ずぷりと中に埋め込んだ。

「ん……ふぅ……」

「リラックスしてね。内壁にしっかりと塗り込んで……さぁ、どうかな。気持ちよくなってくれれば嬉しいけど」

 ぬちゅ、ぬちゅ、くちゅ、くちゅ……

 と、指を動かす音が聞こえる。

 

 ジェネシスの指が辿ったところが、だんだんと熱くなってゆく。中がじんじんとしびれ、小さな刺激がひどく大きなものとして感じるのだ。

 そう、まさにジェネシスの指がうごめいていることさえ、強烈な快感にとって変った。

「あッ……あぅッ……ジェ、ジェネシス……」

「どうだい?気持ちが良くなってきたかな?」

「熱い……指が触れたところが、蕩けそうに熱い…… あッ、あッ」

 ビクビクと私の腰が前後に揺れるのを見て、ジェネシスは楽しげに笑った。

「ああ、なかなか良い効き目だね。この奥のところはどうだい?」

「あ……ダメぇ……擦らないで……ッ」

「ずいぶんといいようだね。お尻の孔がこんなにひくついて、指よりもっと太いものが欲しいって涎を垂らしているよ」

 ジェネシスは指で孔の入り口を広げて観察している。

 

 

 

 

 

 

「ジェ、ジェネシス……早くぅ……」

 私は腰をよじってねだった。

「どうやらお仕置きじゃなくてご褒美になってしまったようだね」

「中に……入れて……ぇ」

「ダメダメ、可愛い孔奴隷としておねだりしなくちゃ」

「あ……くぅん……『いやらしい孔奴隷の……孔に……ペニスを入れて……ください……!』」

「そう、それでいいよ。いいこだね、『セフィロス』」

 そういうと、ジェネシスはふたたび高ぶった彼自身を、私の後ろに当てた。

 そのまま、ずぷずぷと奥まで入り込んでくる。

「あぁん……いい……いい……!」

「ああ、すごい締め付けだね。これはいい」

「中が中が熱くて痒い……ッ!」

「どうして欲しいの?」

 やさしくジェネシスが問う。

「中、中をいっぱい擦って……突いてぇ!」

「いいよ。さぁ、楽しもうか」

 ずちゅ、ぐちゅ、ぬちゅ……!

 ジェネシスが深く中を突き上げてくる。良い場所を擦り上げられて、私は嬌声を上げた。

「あぁッ、いいッ……!もっと、もっとぉ……」

「どこだい?ここか?」

「そこッ……ああッ、いい!」

 びくびくと腰が揺れる。

「あぁん、おかしくなるぅ、ジェ、ジェネシスのが欲しい。……お、お尻を……」

「お尻を……?どうして欲しいの」

 私の中に突き込みながらジェネシスが訊ねる。

「お、お願い……もっと虐めて……痛くして……」

「ふふ、ようやく自分の性癖を素直に口にしたね。それでいいんだよ」

 ジェネシスはいったん高ぶりを引き抜くと、ベッドサイドに置いてある香炉に火を灯した。

 あの店に居たときのような不思議な香の薫りが部屋に満ちる。

 それはじわじわと身体にまとわりつき、性感を刺激する。

「あぁ、ジェネシス……『孔奴隷に……お仕置きをお願いします』」

「ふふ、痛くて気持ちいいのがお望みなんだね。それじゃ、サイカフスで動けないお尻に鞭をあげようか」

 そういうと、ジェネシスは今日買ってきた、美しい乗馬鞭を取り出した。