『~軍服と鞭~ 性の饗宴』
 
<2>
 
 KHセフィロス
 

 

 

 

「はぁ……あぁん……あうぅ」

「いい……来るぅ……いいぃ!」

「ちゅぶ、ぐちゅ……ぬちゅ」

「あぁん、もっとぉ……イかせて……」

 

 そのうち、将校の何人かが、中央に向かって名を呼びかけた。

 すると、2、3人の少年と青年が立ち上がり、名を呼んだ将校の椅子の前に這い蹲った。彼らは、自身のものを少年らに咥えさせたり、椅子の前に蹲らせて、足置き代わりにした。

 

「レオン……『クラウド』を呼ばなくていいのかい」

 ジェネシスがとなりを見てそう訊ねた。

「別に……後でいい。それよりそいつはあそこへ放り込まなくていいのか」

 レオンが足元に蹲っている私を眺めて、訊ね返した。

「この子はまだ調教が済んでいないからね」

 ジェネシスが私を見ながらそう言う。

「……時間のかかることだな。そんなにその孔奴隷が気に入っているのか」

「ああ、だって綺麗だろう?それに強いし」

「強い?そうなのか」

 レオンが初めて私に興味を抱いた風に眺めた。

「そう……俺は『セフィロス』を知っている。強くて、こんなに美しい人は他にいない」

「確かに見てくれはそうだけどな……」

 どこか納得していない様子で、レオンが私を睨め付けた。

 

「どうだい、『セフィロス』。この饗宴は……参加してみたくはないかい?」

 そう訊ねられて、私は力一杯頭を振った。

 冗談ではない。

 こんな場所で見せ物になるなど……!

「でも、もう身体が熱くなっているだろう?早く触って欲しくてたまらないんじゃないか?」

「そんな……ことはない」

 長い衣を身につけていたのが幸いだった。これなら何とかごまかせる。

 

 

 

 

 

 

「そろそろ俺は戻る」

 レオンはそう言って立ち上がった。

「じゃあ、俺たちも部屋に帰ろうか。レオン、後で俺の私室に来てくれないか。もちろん、君の気に入りの子を連れてきてもかまわないから」

「……わかった」

 頷くと、レオンは『クラウド』と名を呼んだ。

 

 私はジェネシスに首輪を引かれて、彼の寝室に戻った。

 

「初めて見て驚いただろう?」

 ティーカップに紅茶を注ぎながら、ジェネシスが笑った。

「……それは……驚いた」

「はい、紅茶」

「…………」

 私は促されるままに、紅茶を口にした。何のフレーバーなのだろう。一口飲むと甘い果実の風味を感じる。

「あ、あれは……一体何だったんだ」

「将校たちの退屈しのぎにね。時折、ああいう催しが行なわれるんだ。性奴隷たちの中にも楽しみにしている子がいるしね」

「……信じがたい」

 私はそうつぶやいた。

「おや、そう……? 『セフィロス』はけっこう好きそうに見えたけど。ああいうの」

「す、好きじゃない……」

「そう?それじゃ後で身体に聞いてみようかな」

 青くなった私に、ジェネシスがクスクスと笑いかけた。

「そろそろレオンが来るかな。それじゃ『セフィロス』、服を脱いで。ああ、首輪はそのままでいいよ」

「…………」

 ティーカップをソーサーに戻し、私は立ち上がった。

 いつものように、服のボタンを外して裸になればよいのだが、この日はどうしても自分で留め具を外す気になれなかった。