~この手をとって口づけて~
 
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「ああ……いくらでもしてやる」

 結合部を光のもとで暴き、レオンは狭い孔に潜り込ませた分身を、さらに望まれた部分に擦りつける。

「あッ……あんッ……も、もう、イク」

「いいぞ、先にいけ……!」

「やッ……あ……あぁッ」

 ビクビクと尻を震わせ、セフィロスは自身の腹に劣情を放った。レオンは中から抜かずに、彼の絶頂を味わっていた。きゅうっと後ろが窄み、レオン自身を喰い絞める。

「セフィロス、まだだ……」

「あ……あはぁ……はぁッ」

 ぐちゅぐちゅと、繋がった部分から卑猥な水音が響く。

 レオンは徐々に抜き差しを早めた。

「あッ……あん……あはッ……」

 声を抑えることなく、セフィロスは悦楽に酔っていった。

「くっ……あ……セフィロス……一緒に」

「ああッ……あッ……あッ」

 パンパンと、腰を打ち付ける音が響く。

 狭い孔に、膨れ上がった陽物が激しく出入りする。

 レオンは、深く突き入れると、肉壁の固くしこった部分を亀頭で、ぐりりと擦り上げた。

「あッ、あぁッ、レオン……もう……」

「ああ……俺も限界だ……」

 セフィロスの体内が、細かく痙攣すると同時に、レオンは精を放った。セフィロスはふたたび自身の腹を劣情で汚していた。

 

 激しい情交の後、ふたりはマットの上に転がって、呼吸を整える。

「あ……はぁ……はぁ……」

「……大丈夫か、セフィロス」

「いい……気持ちよかった」

「そうだな……俺も、久々にアンタに触れられて……嬉しかった」

 素直なレオンの言葉に、セフィロスが笑みを浮べた。

「さぁ、セフィロス、髪を洗うぞ……茹だる前に風呂から上がらねば」

「ん……わかっている」

 億劫そうにセフィロスが身を起こした。

 

 

 

 

 

 

「来年の祭りは……街の広場でのにぎわいに、身を任せるのも悪くはないな」

 カーテン越しにも見えるイルミネーションを眺めながら、セフィロスがささやいた。

「セフィロス、ちゃんとベッドに入れ。身体を冷やすぞ」

 ふらふらと立ち上がって、街の様子を見つめているセフィロスに、レオンが言った。

「ん……」

 促されるのに従って、セフィロスがベッドに潜り込む。レオンはそのとなりに身を滑り込ませた。

 大統領官邸の客間に鎮座するクイーンサイズのベッドは、長身のふたりを緩やかに押し包んでいる。

「……笹舟はちゃんと海にたどり着いたのであろうか」

 ぽつりとセフィロスがつぶやく。

「ああ、きっと……な」

「ん……」

「セフィロス、指先の傷を見せてくれ」

「ん……? 別にたいした怪我ではないぞ」

 そういう、セフィロスの手を、レオンは強引に奪い取った。

「……細かな傷がたくさんある。……あまり無茶をしてくれるな」

 そう言って、ラグナから預かっていた傷薬を指先に塗り込める。

「レオンは心配しすぎだ」

「ああ……そうかもな。だが、アンタのことは心配せずにはいられない。大事な人だ……」

 レオンは、セフィロスの細い指先に口づけた。

「……また、欲しくなってしまうだろう、レオン」

「何を言ってる……ダメだ。今夜はしっかり休まないと」

「……わかってる。おやすみ、レオン」

「おやすみ、セフィロス」

 レオンは目を閉じたセフィロスのまぶたに口づけ、ふたりは夜のとばりに包まれ、安らかな眠りについたのであった。