～この手をとってささやいて～

＜２６＞

レオン

熱くなった彼の陽物に、舌を絡め、時折軽く噛んで、口腔の奥に含んでやる。 　ぐしゅ、ぐちゅという、いやらしい音が響くが、そんなことも気にせず、とにかく俺は彼に奉仕した。 「あ、あ、レオン……もう」 　最奥を探る指はまだ一本だけだ。せめて二本は、緩やかに出し入れできなければ苦しいだろう。 　先に出させてやるために、強くそこを吸い上げると、彼の腰がガクガクと震えた。奥のつぼみがきゅうっと締まる。 「あ、ああッ……」 　『セフィロス』はびくびくと身をのけぞらせ、俺の口の中に熱い体液を放った。 「あ……あぁ……」　 　はぁという深い吐息は、満足できたのだろう。   「『セフィロス』、力を抜いていてくれ」 「ん……」 　指を二本に増やし、ゆるゆると出し入れする。精を放って弛緩した身体だと、この作業がしやすくなるのだ。 「脚を立てて……」 　そう告げると、緩慢な動作で彼は言われたとおりの格好になった。 　両の脚を立て、惜しげもなく秘所をあらわにしている姿の扇情的なことこの上ない。 　あの『セフィロス』が……プライドの高い彼が、素直に俺の愛撫に身を委ねている姿だけで、俺はもう出してしまいそうだ。 　三本目の指を挿入すると、彼はやや苦しげに眉を寄せた。 「痛いか……？」 　そう訊ねると、 「痛く……はない。少しきつい」 　そう応えた。 　片手で射精した後のそれを、ふたたび手に取り、リズミカルにしごく。後ろを穿つタイミングで、上下に擦ると、すぐに前に熱が戻ってきた。 「いいのか、『セフィロス』？」 「わ、わからないが、……変な感じがする」 　横たわったまま、愛撫されている下を見ようと、彼が顔を起こした。 「大丈夫だ、腰を少し持ち上げて」 　枕を腰の下に宛がい、彼の中に入れていた指を抜き去った。 　わずかに紅く色づいた窄まりに、舌を這わす。 「やっ……レオン」 　ビクンと彼の身体が震え、髪に差し込まれた指がうごめいた。       ★       　舌と指で、丹念にそこをほぐしてゆく。 　どう見ても狭くて可憐なその部分だ。俺の愛撫に応えて、ひくひくと口を開きほんのりと桃色に色づいてはいるが、繋がるのはかなり苦しい思いをさせてしまいそうだ。 　指で孔を押し開き、その部分にさらに舌を挿入してゆく。 　ぴちゃぴちゃという卑猥な音に、『セフィロス』がいやがるように身をよじらせる。 「はぁはぁ……あぁ、レオン。また……」 　後ろだけでいけるのだろうか。彼は限界を示すように胴震いする。 「あッ……ああ！」 　二度目のそれは、彼の腹を汚した。 　指と舌での丹念な愛撫で、彼の後ろも大分やわらかく蕩けて来た。 「『セフィロス』、力を抜いていてくれ」 　彼の枕もとに片手を着き、身体を支える。 　俺はすでに十分に固く熱を持ったそれを、彼の後ろに宛がった。 　彼の背が反射的にビクンと強張る。 「ゆっくり……入るから、そのまま」 　荒々しく弾む吐息を押さえ込み、俺はやわらかくほどけたその部分に分け入った。 「っ……！あッ……」 「痛い……か？」 　いくら入り口を広げたとはいえ、そもそも受け入れる器官でない部分だ。彼の中は熱く蕩けるようであったが、その狭さはいかんともしがたい。 「痛っ……！」 　つらそうに眉を寄せる表情を見ると、これ以上行為を進めるのを躊躇してしまう。 　俺の戸惑いが彼に通じたのか、『セフィロス』の両腕が俺を抱き込むように、背に回された。 「『セフィロス』……？」 「いい……大丈夫だ……」 「だ、だが……」 「そのまま……奥まで来てくれ」 　掠れた声で、彼がねだった。