『被虐の王子〜尻奴隷の悦楽〜』
 
<6>
 
 KHセフィロス
 

  

 ジェネシスがずるりと私の奥から、ペニスを抜いた。

「あぁッ……」

 知らずの内に声が漏れる。

「ああ、良かったよ、『セフィロス』。ビーズとぶつかって……君の中もよく締まっていた」

「はぁ……はぁ…… もう、ビーズを……」

 腹からビーズを抜いてくれるよう、願おうとしたときに、彼はその言葉に重ねるようにして、

「じゃあ、お仕置きの時間だね」

 と、嬉しそうに言った。

 ジェネシスは低めのチェアを持ってきて、私の側に据えると、自身はそこに座った。

「『セフィロス』、腹ばいになって、俺の膝に乗って」

「な……ど、どうし……」

「どうしてじゃないでしょう。これから君のいやらしいところにお仕置きをするんだよ。早く、乗りなさい」

 そう告げられると、なぜか私の足はずりずりと膝行って、彼の側にすり寄ってしまうのだ。

「ここにお腹を乗せて腹ばいになって」

「そ、その前に、ビーズを……」

「ダメだよ。ビーズはそのままのほうが、厳しい仕置きになるからね」

 そういうと、素直に腹に乗った私に、彼は尻打ちを始めた。

「今日は二十回で許してあげよう。また今度やったら、三十でも五十でも打つからね」

 パァン!

 と、弾けるような音がすると、ジワッと痛みが後から襲ってきた。

「ジェ、ジェネシス……い、痛い! やめ……」

「痛くなくちゃ、お仕置きにならないだろう。ほらまだまだ続くんだよ」

 バシンッ、ビシィ!

「あぁッ、はぅッ! ビーズがビーズが出てくる……!」

「孔を引き締めてビーズは飲み込んだままだ。漏らしたら、あと二十回追加するよ。そらッ!」

 バシィ!ビシッ!パァン!

「あッ、あぅ、あぁんッ!」

 蕩けるような甘い悲鳴が、自身の口からこぼれ落ちているとは信じがたい。だが、今こうして、ビーズを飲み込まされたまま尻打ちを味わわされているというのに、ふたたび自身が勃起し始めているのだ。もはや吐き出す精も残っていないと思われるのに。

 私を膝の上に置いているジェネシスにも気付かれてしまう。

「……まったく、君はいやらしい人だ。お尻を打たれてこんなにしてしまうなんて。射精していいのは、全部お仕置きを受け終わってからだよ」

 ジェネシスは冷ややかにそう告げると、たっぷりと時間を掛けて、二十回の尻打ちを終えたのであった。

 

 

 

 

 

 

「お猿さんのお尻のようになってしまったね。これも君が約束を守れなかった罰だよ。じゃあ、次はビーズを出させてあげないとね」

 そういうと、ジェネシスはチェアから下ろした私を、ふたたびマットの上に置いた。

「四つん這いじゃなくて、お尻だけ持ち上げて。よく孔が見えるようにね」

 私はすでにジェネシスに弄ばれるままの人形になっていた。一刻も早く射精したいと前が震えている。しかし、今はまだそれが禁止されているのだ。

「また、失敗してしまいそうだね。もう一度、リングをかませてあげよう」

 私が考えていたことなどお見通しというように、ジェネシスは私のいきり立ったペニスを、リングで絞り込んでしまった。

「あぁッ……」

「その格好のまま、いきんでビーズを出すんだ」

「え……」

 てっきり、入り口から出ているビーズの端の紐を引っ張って出してくれるものと思っていたのに、まるで排泄行為を目の前でしろと言われているのと変らない。

 しかも、こんな間近で、尻孔を膨らませて卵を産むような有様を、眺めているというのだ。

「ほら、苦しいんだろう? ビーズをひとつずつ出していってごらん」

「そ、そんな……紐を引いて」

「ダメだよ。今日は卵を産むところまでがプレイだからね。いやらしい君をたっぷりと可愛がってやらないと」

 ジェネシスはそういうと、チェアに座って、私を見下ろした。

「んく……うぅん……」

 ぽこん、ぷりっ

 と音がして、二個三個とビーズを産み落とした。

 

「あぁッ……やッ……はぁ……ん」

 すべてのビーズを吐き出すのに、どれほど時間が掛かっただろう。

 ジェネシスはそれを終えると、

「ご褒美だ」 

 と、言って、前のカセを外してくれた。

「ふぅあッ! ああんッ!」

 ビュッ、ビュルッルッ

 と、前が震え、永遠とも思えるような、長い悦楽の時間が過ぎ、私はそのまま意識を手放した。