〜 ディシディア ファイナルファンタジー 〜
 
<45>
 
 スコール・レオンハート
 

 

 

 

 

(……あ! い、今、瞬きしなかった?)

(しっ! 声が大きいッスよ、クラウド! 今は眠るのが治療なんだって、セシルも言ってただろ)

(で、でも、メシは食わせたほうがいいんじゃねーか? フツーのメシが厳しいなら、スープとか、リゾットとか……)

(そうね、ジタンのいうとおりよ。私、いつでも食べられるように準備しておく!)

 ……パタパタパタ……

 

(ねぇ、スコール大丈夫だよね? 命に別状はないんでしょ、セフィ?)

(……致命傷は負っていないはずだ)

(そ、そうだよね。あ、ゴメン。セフィも怪我してるのに。肩の傷は大丈夫? 縫ったところ、痛む?)

(……問題ない。いちいち、騒々しく話掛けるな)

(ゴ、ゴメン…… 俺、何の役にも立たなくて……ホント……ゴメン)

(……くどい。部屋に戻る)

(まぁまぁ、セフィ! クラウドくんは、セフィにすごく感謝してるんだよ! 彼の怪我に配慮して、自分がスコールのアシストに着くなんて…… いやぁ、俺は父親として泣けたね。いや、実際、涙出てきたし。マジで!)

(……退け、ラグナ・レウァール。部屋に戻ると言っただろう)

(ダメダメ! セフィの怪我だって軽くはないんだよ? 今、ティファちゃんが軽い食事を作ってくれてるから、それをお腹に入れて、鎮痛剤と炎症止めを飲まないと! 傷口が化膿したらかえって面倒なことになるし、綺麗な肌に痕が残っちゃう!)

(傷痕ごとき、どうでもいい)

(セフィ〜! セフィの美貌って、ある意味、世界の宝物なんだよ? ふたつとない大切なものなんだよ? 宝物に傷が残っていたら、みんな悲しむでしょ? がっかりしちゃうでしょ?)

(……ラグナ・レウァール。おまえのいうことはよくわからぬ)

 



 



 

 

 ……暖かい……

 

  肌に感じる暖炉の熱……

 それがまず、一番最初に感じた感覚であった。

 

 側近くで、騒々しいやり取りがされている。

 皆が口々に話しているのはわかるが、目の前がぼんやりとして、油断するとふたたび意識が遠のく。

 ……どこ……だ?

 ここは…… あの庭園ではない……

 

 となると、ここは屋敷の中だ。

 俺の最後の記憶は、魔女の断末魔の悲鳴と、セフィロスの低く静かな声だった。

 何を言われたかはわからない。

 だが、セフィロスと一言二言会話を交わしたところで、俺の意識は断絶した。

 

 ……そうだ、セフィロス! 

 彼が魔女の動きを止めてくれたおかげで、奇跡的な逆転勝利を収められたのだ。

 あの女の鋼鉄の爪に貫かれたまま、それを縫い止めてくれた。

 その瞬間こそが、勝利への唯一の機会……俺の最後のチャンスであったのだ。

 

 目覚めなければ…… 彼の無事を確かめなければ!

 

 意識を糺して、まずは視界を定かにする。

 目の前がぼんやりするなどと、甘えたことを言っている場合ではなかったのだ。