Radiant Garden
~コスタ・デル・ソル in ストライフ一家~
<16>
 
 ジェネシス
 

 

軽い握手を交わし終えると、レオンはキッチンにとって返した。

 しかたなく俺も自分の席に着くが、ずいぶんと素っ気ない人物らしい。

「ジェネシス、飲み物は何がいいかって」

 ミートローフの皿を配りながら、リクが訊ねる。

「え……あ、ああ、俺はなんでもかまわないけど……」

「最初は軽めの白にしろ」

 不躾にも大声でセフィロスがいうのに、同意を示した。

 きっとその声が聞こえたのだろう。リクが伝えに戻る前に、レオンがバスケットに二本ほどの白ワインを乗せて戻ってきた。

「待たせたな。では話を聞こうか。……ああ、リクにはカフェラテを入れてきた」

 きちりと未成年者を分け、俺たちのグラスには白ワインを、リクの前にはカフェラテのカップを置く。

 どうにもこの美青年は相当の朴念仁らしい。リクは慣れているのか、なんら不平はないようであった。

「せっかくなんだから、あらためて乾杯しようよ。ここ……ホロウバスティオンと、俺たちの出逢いを祝してね」

 ワイングラスを軽く持ち上げると、また少し驚いたように、レオンは目を瞠ったが、特に異議を唱えるでもなく、無言のままグラスを掲げた。リクもそれにならう。

 セフィロスのやつは、面倒くさそうにワイングラスを持ち上げた。

「それじゃ、おとぎの国と俺たち四人の出逢いを祝して乾杯!」

 カシンとグラスが鳴る。乱暴に打ち付けたのはセフィロスだ。早いところ酒にありつきたいというのが見え見えである。

 レオンはそのまま口元に持っていったが、軽く舐める程度であった。なかなかよい酒であるのに、彼は酒をたしまないのであろうか。

 

 

 

 

 

 

「それでは皆、席に着いたことだし、話を聞きたいと思う。よろしいだろうか」

 レオンがややかしこまってそう告げた。いや、普段からこのしゃべり方なのかも知れない。

「おかわり!」

 という無遠慮なセフィロスからの申し出には、すぐにリクが対応した。

 ……まったく、いったいいくつパンを食べるつもりだ、この男は!

「セフィロス、すごいなぁ。いったいどれほど入るんだ?」

 めずらしくも少年らしく、リクが大仰そうな物言いで彼を見た。もちろん、きちんと焼きたてのパンと、ミートローフのおかわりを抱えてきた。

「ふむ、ご苦労」

 などと偉そうに宣っているのが図々しい。

「いいか、ガキ……いや、リクだったな。軍人ってェのは、食えるときに食っておくのも大事なんだぞ。いざ、戦いの最中にあったら、まともに寝ることもメシを食うこともできないんだからな」

「確かに……そうだな」

「おまえは、クラウドのガキよりもよほど長身だが、まだ厚みがねェ。うっすい筋肉じゃ、乱戦や持ねェぞ」

「そ、そうか。わかった。食べる」

 真剣なまなざしで、ひとつ頷くとリクは食べかけのラザニアに取り組み始めた。

「そうそう。うんと食って身体を動かせ。おまえはまだ華奢だからな。背ももっと伸びんだろ」

 酒を飲み、腹を満たした満足感からか、セフィロスにしては機嫌良く話しているようだ。

 レオンは何か言いたげではあったが、黙ったまま目線を俺に向けてきた。